人生のレールを外れた男の物語

社会の歯車から外れたらどうなるか、私の友人の実体験を元に、綴ろうかと思う。

1、夢を抱き、上京

彼はパティシエを目指す為、田舎から東京に上京した。

この当時、彼の田舎には、ケーキ屋が無かったからだ。

学生時代の恩師の縁故で入社した会社は、大変歴史ある会社。

 

彼は学生時代、TV等で料理人の修行する番組を見て、罵詈雑言を浴びて、殴る蹴る姿を見て、現場はこんな感じなのか?と、最初は恐怖を抱いていたと言う。

しかし、入社初日、彼に与えられた仕事は、卵を割ったり、砂糖等を計量したり、後はこの当時は、食器洗浄機がない時代。

膨大な量の洗い物を洗えられていた。

その時の上司、先輩の言葉は、『無理しなくていいらね』と。一様にみんな笑顔。

 

朝6:30に職場入りし、17:00に終わる仕事。

一様に優しくしてくれる先輩、上司。

社会人一年目の初日、彼が感じた事は、TVとかと違うじゃん。思ったよりも楽しい、だったそう。

 

次の日から、悪夢が徐々に襲ってくる事も知らず…

彼は、TVで見た、罵詈雑言殴る蹴るの修羅場を想像していたから、逆に安心したと言う。