人生のレールを外れた男の物語

社会の歯車から外れたらどうなるか、私の友人の実体験を元に、綴ろうかと思う。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

5.縁故

彼は、彼が学生時代の恩師の縁故で、当時の会社に入社した、いわば裏口入社に近い。 故に、3ヶ月位で辞めたくなった気持ちも有ったが、ここで辞めたら恩師の顔に泥を塗る形になってしまう。 今の時代の縁故入社したりした若い世代は、そんな事は考えず、嫌…

4.新人の洗礼

レストランのコック、ウエイターは、全て男だ。そして、全員、若くて40歳代。50歳平均といった所か。 彼は新人で、未だ20歳。 当然、年の差があり過ぎる。 考えても見て欲しい。 初めてやる仕事を、1〜2週間で全て覚えられたら、誰だって苦労はしない。 当…

3.仕事を覚える

仕事とは、楽なものも有るだろうが、基本的には大変であり、常に神経を使う事が多い。 彼のパティシエ人生の最初も、正に激動。 レストランのデザートの種類だけでも10種以上あるそれを覚えなくてはならない。 最初は、先輩が付いていて教えてくれるが、徐々…

2.レストラン

彼の入社した会社は、ケーキを販売する売店の他に、フレンチレストランがある。 餅は餅屋とは言うが、パティシエと料理人がいる。勿論、売店が有るから販売員、レストランがあるからウエイターもいる。 売店のケーキは当然、彼の所属する部署担当だが、レス…

1、夢を抱き、上京

彼はパティシエを目指す為、田舎から東京に上京した。 この当時、彼の田舎には、ケーキ屋が無かったからだ。 学生時代の恩師の縁故で入社した会社は、大変歴史ある会社。 彼は学生時代、TV等で料理人の修行する番組を見て、罵詈雑言を浴びて、殴る蹴る姿を見…

はじめに

とある田舎地方に、ブラック企業のハラスメントに身も心も半殺しにされ、車中練炭、首吊り自殺をした男がいる。 幸か不幸か、何方も未遂に終わり、精神障がい者となり入院し、現在、生きた屍と化している。 彼は30代後半。 20代の頃は順風満帆だったのが、何…